システムバスへのリフォーム、総額でいくら必要?
古くなった浴室を快適な空間へ生まれ変わらせるお風呂リフォーム。「機能的で清潔なお風呂にしたい」と希望は膨らむものの、計画を進める上で一番高い壁として立ちはだかるのが「費用の不透明さ」です。
インターネットで一般的な費用相場を検索しても、「設備のグレードや工事内容により異なります」「相場は50万〜150万円程度です」といった幅の広いざっくりとした情報が多く、手元に準備すべき具体的な予算感が掴みにくいという声をよく耳にします。
在来工法の古いタイル張りのお風呂から、タカラスタンダードの人気システムバスである「グランスパ(旧モデル:ミーナなど)」の1坪サイズ(1616サイズ)へリフォームを行う場合、総額としていくらかかるのでしょうか。
本記事では、実際に築20年以上の戸建て住宅におけるシステムバスリフォームを実施した事例を基に、メーカーに支払う「設備本体費用」と、工務店に支払う「解体・施工工事費用」の細かな内訳までを詳しく解説します。これから見積もりを取得される方の参考として役立ててください。
リフォーム費用の構造:支払いは「設備」と「工事」の2か所
具体的な見積もり金額を見る前に、お風呂リフォームにおける基本的な費用の内訳構造を理解しておく必要があります。リフォーム費用は、すべてをメーカーに対して支払うわけではありません。大枠として以下の2つの区分から成り立っています。
- 設備本体に関わる費用(メーカー流通分):風呂桶や壁パネルなど、システムバスの製品そのものの購入費と、メーカー認定の専門職人が現場で製品を組み上げるための組立施工費、および運搬費などを含みます。
- 建築工事に関わる費用(リフォーム業者・工務店分):現在ある古いお風呂を壊して撤去する解体費や、それに伴う産業廃棄物の処理費、水道管や排水管・ガス管等の切り回し(配管工事)、古い土台にコンクリートを打つ基礎工事、そして脱衣所と浴室を繋ぐドア枠等の大工作業など、建物の構造を改修するための工事費です。
これら2つの費用の合計が、「リフォーム費用の総支払額」となります。
設備本体の費用内訳:タカラスタンダードの製品価格
それでは、事例における設備本体に関する費用を見てみましょう。メーカー製品および組立にかかる費用の合計は約44万円台後半でした。(導入モデル:グランスパ相当 1616サイズ)
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 製品価格(システムバス本体+選択オプション) | 約360,000円〜(※建築業者経由での割引適用後) |
| メーカー指定の組立施工費 | 約74,000円 |
| 運搬納入費等 | 約8,000円 |
| 本体関連費用の合計 | 約445,000円 |
メーカー直の「適正価格設定」による透明性
タカラスタンダードのショールームでオプション等を追加して作成されるメーカー定価の見積もり額は、他社同等グレードと比較すると元々低めに設定(約51万〜52万円程度)されています。
タカラは住宅設備業界にありがちな「定価を不当に高く設定しておき、大幅な50%値引き等を装って販売する手法」を採らず、最初から消費者が適正と判断できる限界ギリギリの価格を定価として公開しています。そのため、工務店を通した場合の値引率は数%〜十数%程度に留まることが多いですが(金額にして約36万円台)、結果的に支払う総額は非常にリーズナブルな範囲に収まります。
なお、設備を正確に組み上げるための「施工費(組立費)」や「運搬費」は一定の固定費として設定されており、これらは通常、値引きの対象外となります。
建築工事費用の内訳:リフォーム業者(工務店)への支払い
続いて、建物を改修するための工事費用です。既存の状況(木造か鉄筋か、タイル張りかユニットバスか等)によって大きく変動しますが、在来工法の古いタイル張り浴室からの改修という事例では、合計約77万円となりました。
| 工事項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 既存浴室(床・壁タイル)の解体・撤去工事 | 約155,000円 |
| 浴室天井の解体・撤去周辺工事 | 約12,000円 |
| 給排水・給湯管およびガスの配管接続工事 | 約84,000円 |
| 土間コンクリート打設(新しい浴室を支える基礎作り) | 約45,000円 |
| 間仕切り壁の拡張・大工工事(※サイズ調整のため特別対応) | 約137,000円 |
| 浴室出入り口のドア枠作成・壁面補修工事 | 約35,000円 |
| 電気配線・換気ダクトおよび換気扇接続工事 | 約65,000円 |
| 廃材・生コン等の運搬費および産業廃棄物処分費 | 約150,000円 |
| 工事関連費用の合計 | 約770,000円 |
「設備本体よりも工事費の方が高額になっている」と感じるかもしれませんが、この事例には、昔ながらの住宅特有の追加工事が含まれている点に注意が必要です。
工事費が高額になる主な2つの理由
1. 在来工法(タイル張り)の解体と多量の産業廃棄物処理
「既存の古いユニットバスから、新しいユニットバスへ交換する」だけであれば解体は比較的容易ですが、「分厚いコンクリートとタイルで固められたお風呂」を粉砕して撤去するには、数日がかりの重労働となります。さらに、大量に出るタイルやコンクリートのガラは産業廃棄物として厳格に処分されるため、「解体費」と「処分費」だけで30万円以上のコストが計上されています。
もし、ご自宅の現在の浴室がすでにユニットバス(プラスチック系の箱型構造)であれば、解体や土間打ちの手間が省けるため、この工事費用は数十万円単位で安く抑えることが可能です。
2. 無理のない1坪サイズを入れるための壁面拡張工事
古い家屋では、浴室の寸法がわずかに足りず、「一回り小さいサイズにグレードダウンするしかない」と宣告されるケースがあります。しかし事例では、工務店が柱の配置や壁の裏側を確認し、極限まで壁の厚みを削り取る追加の大工工事(約13万円)を実施することで、標準規格の1坪サイズの設置を可能にしました。こうしたイレギュラーな現場合わせの大工作業が発生した場合、当然その分の人件費と材料費が上乗せされます。
総評:初期費用をかけても長期的なリターンが大きい
メーカーへの本体関連費用(約44万円)と、工務店への工事費用(約77万円)を合わせた、お風呂リフォーム費用の総支払額の目安は「約120万円台」となりました。
もし既存のお風呂がユニットバスであったり、建築上困難な壁の加工が不要であれば、全体の予算は100万円以内に収まっていた可能性が非常に高いです。しかしながら、仮に大工工事などの追加費用がかかったとしても、結果として足を伸ばせる広いバスタブが入り、冬場でも寒さを感じにくい水はけの良い床材、そして何より掃除の手間を劇的に削減してくれる「高品位ホーロー壁」が手に入ったことは、今後20年続く日々の清掃労働やヒートショックのリスクを考慮すれば、十分に価値のある適正な費用と言えます。
まずはショールームで「本体見積もり」を作成する
お風呂のリフォームを検討し始めたら、最初に行うべき大切なアクションはメーカーの公式ショールームへ足を運ぶことです。
工務店やリフォーム会社へ相談しに行く前に、タカラスタンダードのショールームで実際の壁の色や欲しいオプション機能(換気暖房乾燥機など)を選択していくと、パソコンのシミュレーションシステムを使用して、たった数十分で「タカラ製品の定価の見積書(写真付きの完成予想パース図含む)」を無料で作成してくれます。
手元にこの明確な基準となる「本体見積書」があれば、後日自宅近くの複数のリフォーム会社や工務店に対して、「このメーカーのこの仕様で入れたいのですが、解体・配管の工事費用を含めた総額の提示をお願いします」と、正確で条件がブレない相見積もりを依頼することが可能になります。これにより、工事費用を不当に高く請求する業者を見極めることができ、納得のいく適正価格でのリフォームが実現しやすくなります。
ショールームでの見積もり作成は、週末など混雑する時間帯では対応が難しいため、必ず事前にWeb経由または電話等で来場予約を行ってから訪問することをお勧めします。